【時給50円でアメリカ人を雇った話】日本人の給料は下がり続ける未来とは…

サラリーマン「給料が低い!社長はもっと従業員にお金を払うべきだ!」
よく聞く話ですが、これって本当ですか?
給料の低さと嘆いても給料は上がりませんし、むしろ僕の意見では、日本人の給料は下がり続けると思います。
なぜ、このように思ったのか?3年間のセブ島暮らしと、外国人への仕事の発注を通して学んだことを書いていきます。
1.そもそも、日本人の給料は本当に低いのか?
- 日本の平均月収:33万円
- 世界の給料水準:13万円
» 参考:国民1人当たりの所得(GNI per capita)ランキング・国別順
当たり前かもしれませんが、世界からみると日本の給料は高いです。

サラリーマン「日本は物価が高いから当たり前だろ」
こういった反論がありますよね。物価が高いから、給料も高い。当たり前な気がしますが、それって本当ですか?
2.日本の物価は本当に高いのか?
世界のビッグマック価格ランキング(ビッグマックの価格から各国の経済力を測るための指数)を元にみてみます。
- 1位:スイス(703円)
- 2位:ノルウェー(588円)
- 3位:スウェーデン(558円)
- 4位:フィンランド(540円)
- 5位:アメリカ(538円)
- 31位:日本(370円)
- 42位:フィリピン(301円)
これをみると、日本は31位なので、たしかに物価は高い方です。
また、フィリピン暮らしで思ったことは、日本(特に東京)は家賃が高すぎ。セブだと、中心地でも月4万円あればワンルームを借りれます。ローカル暮らしなら、月の家賃が3,000円とかです。
なので、やはり日本の物価は高いですね。

サラリーマン「ほら、だから日本で生活するにはお金が必要。今の給料は低すぎる!さっさと上げろボケ!」
3.悲しいけど、日本人が給料の低さを嘆くのは甘えすぎです
日本の物価は高いけど、日本人の給料は下がり続けます。先日、UpWork(海外版のランサーズ)を使って痛感しました。
UpWorkで外国人からレビューもらってみた。0.5ドルなり💰 久しぶりのUpWorkだったので使い方忘れてたけど完全に思い出した👦→Book That Changed Your Life https://t.co/IEywBKeb1V
— Manabu (@manabubannai) November 10, 2016
UpWorkでアメリカ人を雇ったのですが、なんと時給は50円。アメリカは日本よりも物価が高いはずなのに…衝撃です。
ワーク・シフトの『グローバル下級階層』はすでに出現している
2012年に話題となった『ワーク・シフト』ですが、本の中でグローバル下級階層という言葉が出てきます。
グローバル下級階層とは(書籍より引用)
世界のさまざまな地域に貧困層が出現する。現在、経済発展から取り残されている貧困層は、アフリカなど一部の地域に集中しているが、グローバル化が進み、世界がますます一体化すれば、先進国も含めて世界中のあらゆる地域に貧困層が出現する。
グローバルな市場で求められる高度な専門技能をもたず、そうかといって、高齢化が進む都市住民向けサービスのニーズにこたえる技能と意思もない人たちが、グローバルな下層階級になる。
» 参考:【2025年】同じ会社に5年以上勤めることが珍しい未来とは?|ワーク・シフト
ワーク・シフトでは2025年の話として書かれていますが、2016年現在でも、その兆候があると思います。

サラリーマン「そう考えると、日本人の待遇ってそこまで悪くないのか…。」
4.日本人の待遇は言語バリアによって守られている
- 世界と比べて、日本の給料は高い
- 世界と比べて、日本の物価は高い
- 日本より物価の高いアメリカ人を、時給50円雇うことができる
太字の部分で異常事態が発生していることが分かります。
2016年の日本では、時給50円で働く人はいないと思いますが、最低限の給料が守られている理由は、言語バリアーがあるからです。要するに、日本人が英語を話せないため、外国人が参入しづらい
しかし、15年後には世界が完全にフラット化します。
最近(2016年10月)発売された、よくわかる人工知能という本の一説を抜粋します。
東京大学大学院 工学系研究科 特任准教授:松尾豊さんの発言
いまの深層学習の発展のペースはかなり速いですから、(自動翻訳に関して)僕の予想では、おそらく技術的には10年ぐらい、実用化を考えても15年くらいで出来るんじゃないかと思っています。
つまり、今25歳なら、40歳のときに自動翻訳が実用化されます。そうなると、言語バリアが崩壊します。
5.給料が下がり続けるニホン、これからどうすればいいのか?
ぼくは現在26歳ですが、これくらいの年代って悲壮感が出ている気がしています(気のせいかな笑)。
それもそのはず。給料は上がらないし、ニホンの未来も分からない。さらに追い打ちをかけるように、トランプが大統領になったので、より世界が混乱しそうです。
大切なことはただ一つ、市場価値を上げること
26歳の若造の虚言ですが、外国人と働いた期間としては3年以上あるので、ギリギリ信用してもらえたら嬉しいです。
市場価値を上げる。
言い換えると、会社を儲けさせる人材になればOK。
例えば、セブ島のカフェにはめちゃくちゃ愛想の良い店員がいまして、常に他店から引き抜かれそうになっていました。引き抜かれるってことは給料も上がるでしょう。市場価値の高いカフェ店員だと思います。
別の例をだすと、過労死で話題になってる電通です。その方はWeb公告の部署だったらしく、公告の単価が安すぎて、その結果激務になり、過労死が出たという論調があります。
このあたりは捉え方次第ですが、費用対効果の高い公告運用ができれば担当者の市場価値が高まります。Web公告でガッツリ成果出せるなら、しばらくは就職にも困らないでしょう。
第三者からでも明らかに成果が分かることの重要性
2つ例をあげましたが、両者の共通点は、第三者からでも明らかに成果が見えることです。
- カフェ店員:お客様の反応で、自分の成果が見える
- Web公告運用:管理画面から売上が見える
つまり、市場価値を上げるには自分の価値(成果)が分かる事が大切だと思います。逆にいうと、市場価値が見えていないと、給料は下がり続けるかなと。
大企業の場合は個人の数字が見えない?

サラリーマン「大規模プロジェクトなので、個人の数字が見えないし、ムリゲー」
そういった場合は、特定の領域で他のメンバーと差別化することが大切だと思います。◯◯関連のプロジェクトだから、Aさんを指名しよう。このAさんを目指すということです。
まとめ:タイムリミットは15年、2030年に世界がフラット化する
『日本人の給料は本当に低いのか?』という話から、今後はもっと給料が下がりますよという絶望ストーリーを書きました。
疑う方は実際にUpWorkを見てほしいのですが、ランサーズとは比にならないほど安いです。
海外のワーカーでライターを探すと、普通に時給3ドルとかいるから、日本人が英語使って戦っても無理ゲーだとよく分かる。 pic.twitter.com/2vfrpuUwYP
— Manabu (@manabubannai) November 8, 2016
日本の大企業がUpWorkを使い始めたらと考えると恐ろしい…。
自動翻訳技術の実用化まで、あと15年。
そのときに世界が完全にフラット化します。
ムリゲーな世の中ですが、みなさんはどうやって生きますか?