『人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである』~嫌われる勇気:20代のうちに読んでおきたい1冊~
心理学といえば、フロイト、ユングが世界的に有名ですが、欧米ではアドラーが絶大な人気を誇るようです。『つまらなかったら途中で読むのやめよう』くらいのモチベーションで『嫌われる勇気』という本を購入してみました。
実際に読んでみると、哲人と青年の対話形式であるため、アドラーの心理学がとても理解しやすかったです。かつ、しょっぱなから、以下のような表現がでてきて結構驚きました。。
- 怒りとは出し入れ可能な「道具」
- 「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
ボリューム感としては、3時間ほどで読み終えるかと思います。以下に、ぼくが気になったフレーズをまとめておきますので、気になる方は読んでみてはどうでしょう。
大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである。
「人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる」。
人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる。
アドラーの心理学:世界観
人は誰しも、客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした主観的な世界に住んでいます。あなたが見ている世界は、わたしが見ている世界とは違うし、およそ誰とも共有しえない世界でしょう。
ユダヤ教の教えに、こんな言葉があります。「自分が自分のために自分の人生を生きていないのであれば、いったい誰が自分のために生きてくれるだろうか」と。あなたは、あなただけの人生を生きています。誰のために生きているのかといえば、無論あなたのためです。そしてもし、自分のために生きていないのだとすれば、いったい誰があなたの人生を生きてくれるのでしょうか。われわれは、究極的には「わたし」のことを考えて生きている。そう考えてはいけない理由はありません。
承認されることを願うあまり、他者が抱いた「こんな人であってほしい」という期待をなぞって生きていくことになる。つまり、ほんとうの自分を捨てて、他者の人生を生きることになる。
アドラーの心理学:人生とは
人生を登山のように考えている人は、自らの生を「線」としてとらえています。この世に生を受けた瞬間からはじまった線が、大小さまざまなカーヴを描きながら頂点に達し、やがて死という終点を迎えるのだと。しかし、こうして人生を物語のようにとらえる発想は、フロイト的な原因論にもつながる考えであり、人生の大半を「途上」としてしまう考え方なのです。 青年 では、人生はどんな姿だとおっしゃるのです!? 哲人 線としてとらえるのではなく、人生は点の連続なのだと考えてください。 チョークで引かれた実線を拡大鏡で覗いてみると、線だと思っていたものが連続する小さな点であることがわかります。線のように映る生は点の連続であり、すなわち人生とは、連続する刹那なのです。
われわれはもっと「いま、ここ」だけを真剣に生きるべきなのです。過去が見えるような気がしたり、未来が予測できるような気がしてしまうのは、あなたが「いま、ここ」を真剣に生きておらず、うすらぼんやりとした光のなかに生きている証です。 人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。「いま、ここ」を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。
刹那としての「いま、ここ」を真剣に踊り、真剣に生きましょう。過去も見ないし、未来も見ない。完結した刹那を、ダンスするように生きるのです。誰かと競争する必要もなく、目的地もいりません。踊っていれば、どこかにたどり着くでしょう。
アドラーの心理学:怒りの感情
怒りとは出し入れ可能な「道具」
まず理解していただきたいのは、怒りとはコミュニケーションの一形態であり、なおかつ怒りを使わないコミュニケーションは可能なのだ、という事実です。われわれは怒りを用いずとも意思の疎通はできるし、自分を受け入れてもらうことも可能なのです。それが経験的にわかってくれば、自然と怒りの感情も出なくなります。
アドラーの心理学:目的論
過去に原因を求めてはいけない、トラウマを否定せよ、人は過去の原因に突き動かされる存在ではなく、なにかしらの目的を達成するために動いているのだと。アドラーの目的論は「これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」といっているのです。自分の人生を決めるのは、「いま、ここ」に生きるあなたなのだ、と。
わたしの身長は155センチメートルです。アドラーもまた、これくらいの身長だったといいます。かつてわたしは——まさにあなたくらいの年齢まで——自分の身長について思い悩んでいました。もし人並みの身長があれば、あと20センチ、いやせめて10センチでも身長が高ければ、なにか変わるんじゃないか。もっと楽しい人生が待っているのではないか。そう思ってあるとき友人に相談したところ、彼は「くだらない」と一蹴したのです。 青年 ……それはひどい! なんて男でしょう! 哲人 続けて、彼はこういいました。「大きくなってどうする? お前には人をくつろがせる才能があるんだ」と。たしかに、大柄で屈強な男性は、それだけで相手を威圧してしまうところがあるのかもしれません。一方、小柄なわたしであれば、相手も警戒心を解いてくれる。なるほど、小柄であることは自分にとっても周囲の人にとっても、好ましいことなのだと思わされました。つまり価値の転換です。いまはもう、自分の身長を思い悩んでなどいません。 青年 ううむ。しかしそれは……。 哲人 最後まで聞いてください。ここで大切なのは、155センチメートルというわたしの身長が「劣等性」ではなかった、ということです。 青年 劣等性ではなかった? 哲人 事実として、なにかが欠けていたり、劣っていたりするわけではなかったのです。たしかに155センチメートルという身長は平均よりも低く、なおかつ客観的に測定された数字です。一見すると、劣等性に思えるでしょう。しかし問題は、その身長についてわたしがどのような意味づけをほどこすか、どのような価値を与えるか、なのです。
親から虐げられた子どもが非行に走る。不登校になる。リストカットなどの自傷行為に走る。フロイト的な原因論では、これを「親がこんな育て方をしたから、子どもがこんなふうに育った」とシンプルな因果律で考えるでしょう。植物に水をあげなかったから、枯れてしまったというような。たしかにわかりやすい解釈です。 しかし、アドラー的な目的論は、子どもが隠し持っている目的、すなわち「親への復讐」という目的を見逃しません。自分が非行に走ったり、不登校になったり、リストカットをしたりすれば、親は困る。あわてふためき、胃に穴があくほど深刻に悩む。子どもはそれを知った上で、問題行動に出ています。過去の原因(家庭環境)に突き動かされているのではなく、いまの目的(親への復讐)をかなえるために。
Aさんの欠点が許せないから嫌っているのではありません。あなたには「Aさんのことを嫌いになる」という目的が先にあって、その目的にかなった欠点をあとから見つけ出しているのです。
アドラーの心理学:課題の分離
まずは「これは誰の課題なのか?」を考えましょう。そして課題の分離をしましょう。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。 そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。これは具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。
アドラーの心理学:対人関係
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」。これはアドラー心理学の根底に流れる概念です。
個人だけで完結する悩み、いわゆる内面の悩みなどというものは存在しません。どんな種類の悩みであれ、そこにはかならず他者の影が介在しています。多くの人は、対人関係のカードは他者が握っていると思っています。だからこそ「あの人は自分のことをどう思っているんだろう?」と気になるし、他者の希望を満たすような生き方をしてしまう。でも、課題の分離が理解できれば、すべてのカードは自分が握っていることに気がつくでしょう。これは新しい発見です。
アドラーの心理学:その他
適切な行動をとったら、ほめてもらえる。不適切な行動をとったら、罰せられる。アドラーは、こうした賞罰による教育を厳しく批判しました。賞罰教育の先に生まれるのは「ほめてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」「罰する人がいなければ、不適切な行動もとる」という、誤ったライフスタイルです。ほめてもらいたいという目的が先にあって、ごみを拾う。そして誰からもほめてもらえなければ、憤慨するか、二度とこんなことはするまいと決心する。明らかにおかしな話でしょう。
ワーカホリックの方々は、人生の特定の側面だけに注目しています。 おそらく彼らは「仕事が忙しいから家庭を顧みる余裕がない」と弁明するでしょう。しかし、これは人生の嘘です。仕事を口実に、他の責任を回避しようとしているにすぎません。本来は家事にも、子育てにも、あるいは友人との交友や趣味にも、すべてに関心を寄せるべきであって、どこかが突出した生き方などアドラーは認めません。
「仕事」とは、会社で働くことを指すのではありません。家庭での仕事、子育て、地域社会への貢献、趣味、あらゆることが「仕事」なのであって、会社など、ほんの一部にすぎない。会社の仕事だけしか考えないのは、人生の調和を欠いた生き方です。
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