Written by Manabu Bannai

まとめ:USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケ/USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?/森岡 毅

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マーケターは消費者理解の専門家

マーケティングが特別に偉いわけではないのです。マーケターは消費者の代理人なのです。

マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」です。どうやって売れるようにするのかと言うと、消費者と商品の接点を制する(コントロールする)ことで売れるようにするのです。  

コントロールすべき消費者との接点は主に3つあります。
(1)消費者の頭の中を制する。
(2)店頭(買う場所)を制する。
(3)商品の使用体験を制する。

消費者インサイト

良いマーケターは、特定の商材に対しての消費者ニーズの理解に努めるだけでなく、底辺に流れる価値観や悩みはどんなことなのか、常日頃どんなことに関心を持っているのか、別の文脈ではどんな消費行動をとるのか、それはなぜなのか等、人としての総合的な質的理解に努めようとします。

それを「消費者インサイト」と言います。消費者自身が気づいていない(あるいは直視したくない)隠された真実のことです。ここをマーケターが意図的に衝くと、消費者の心を大きく動かすことができるのです。

アイデアを考え始めるのはいつも最後の最後

私はアイデアを考えるときは、まず目的を徹底的に吟味して定め、その次にアイデアが満たすべき「必要条件」を一番時間をかけて考えます。そしてその必要条件を組み合わせ、より条件を絞り込んで、自分が必死に思いつくべきアイデアの輪郭をできるだけ明確に絞り込んでいきます。具体的なアイデアを考え始めるのはいつも最後の最後なのです。

「良いアイデア」を出すにあたって、ほとんどの人が実はよく考えていないのが、次の2点です。

① 良いアイデアとはどんな条件を満たすアイデアのことか?
② それらの条件を組み合わせて、良いアイデアを探すにあたっての着眼点(釣るポイント)をどこに定めて頭脳をフル回転させるべきなのか?

アイデアの具体例

目的は「彼女と仲直りすること」です。次に戦略は、「彼女の好きなもので歓心をかう」とか、「彼女の信頼する人に仲介してもらう」など大まかな方針を選択しなければなりません。

どの戦略がうまく行くかは状況や彼女の性格次第ですが、この場合は仮に「好きなもので歓心をかう」方針が一番良いと判断したことにしましょう。  

その瞬間に、考えるべき戦術(つまりアイデア)の範囲がすごく絞れたことが御理解いただけるでしょうか? 

「好きなもの」以外を考える必要がなくなったのです。「歓心をかうに足る彼女の好きなもの」を満たすべき必要条件として絞って考えれば、彼女の好きなアーティストのコンサートチケット、彼女が欲しがっていたバッグ、彼女の好物のロールケーキ……いくらでもアイデアは出てくるはずです。

このときに、別の戦略的な選択であった「彼女の親友のAさんに相談する」などは考えなくても良いわけです。  

このように戦略的フレームワークは、目的戦略(必要条件)戦術(アイデアそのもの)の順番で考えていくと、選択肢を合理的に絞っていくことができます。最も宝が埋まっていそうなポイントに時間や努力を集中させるのに役立ちます。

目的
そもそも達成すべき命題は何か?
(例: 彼女と仲直りする)

戦略
目的達成のために経営資源を何に集中するか?これがアイデアの必要条件
(例: 彼女の好きなもので歓心をかう)

戦術
具体的にどのように実現させていくのか? これがアイデア
(例: 彼女の好きなアーティストのコンサートチケットをあげる)

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