Written by Manabu Bannai

情報の「なぜ?」と「だからなんなの?」を考えてみましょう【自分のアタマで考えよう by ちきりん】

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自分のアタマで考えよう

ちきりんの『自分のアタマで考えよう』という本を読みました。
内容としてはロジカルシンキングに関する本です。考えることの重要性を常々謳っているちきりんですが、本書では、ちきりんらしい柔らかい言葉でロジカルシンキングを解説しています。

当記事では書籍内で重要と思った箇所を抜粋してご紹介します。かつ、ぼく自身もこの記事を繰り返し読んで、無意識にこういった思考ができるようになるためにトレーニングをしていく予定です。かなりの良書なので、買うか迷った人は絶対に買うべきと思います。

なお、ロジカルシンキングの関連書籍としては、『世界一やさしい問題解決の授業』や『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』がオススメです。
それでは、まとめ記事を書いていきます。

情報を見たときにまず考えるべきこと

情報を見たときにまず考えるべきことは、「なぜ?」と「だからなんなの?」のふたつです。

「なぜ?」とは、数字の背景を探る問いです。数字はなにかの現象や活動の結果なので、すべての数字には理由があります。売上が伸びているなら「なぜ売上が伸びているのか?」、特定地域の人口が減ったなら「なぜこの地域の人口が減ったのか?」と考えるのが、「なぜ?」です。

次に起こることを予想し、それに対応するためになにをすべきかを考える、これが「だからなんなの?」によって問われる思考です。 データを見たときには、その背景(=データの前段階)を考える「なぜ?」と、そのデータをどう解釈・判断し、対応すべきか、と一歩先(=データの後段階)を考える「だからなんなの?」のふたつの問いを常に頭に浮かべましょう。

情報の「なぜ?」と「だからなんなの?」を考えてみましょう

「70歳まで働ける企業を目指して」というタイトルでの大学教授の講演と、「こうして進める『70歳雇用』」というテーマでのパネルディスカッションが、港区の会場にて無料で行なわれました。参加定員は400名ですから、相当大きな会場です。 さて、この告知情報の「なぜ?」と「だからなんなの?」を考えてみましょう。

まずは「なぜ?」です。
なぜこんな広告をこの独立行政法人は出しているのでしょう? なにが目的なのでしょう? 将来の人口問題について考えてきたみなさんにはすぐにわかりますよね。将来の日本は「働く生産人口」と「働かない高齢者人口」のアンバランスが大きな問題になると予想されています。そこで企業が定年を70歳まで延長し、みなが少しでも長く働くようになれば、若干でもそのアンバランスを緩和することができます。具体的には年金の支給年齢を70歳まで延長したいのでしょう。そのために、70歳まで働くのが普通となる社会をつくろうという啓蒙活動の一環としてこういったセミナーが開かれるわけです。

次に「だからなんなの?」について考えてみます。
こちらは人によって異なりますよね。銀行員であれば、「これなら35年ではなく40年の住宅ローンが貸し出せる!」と考えるかもしれません。 また、今まで「定年したら第二の人生を楽しもう!」と思っていた人は、こんなに定年が遅くなるのであれば、定年までやりたいことを我慢するのではなく、若いころから存分に楽しんでおこうと考えるかもしれません。これもひとつの「だからなんなの?」に対する回答(考え方)です。 このように、日々目にする新聞、雑誌の記事や広告、さらにはブログやツイッターなどネット上で目にとまった情報のうち、気にかかった情報に関してだけでも「なぜ?」「だからなんなの?」と考えるクセをつければ、今まで見えなかったさまざまな社会の動きが見えはじめることでしょう。

圧倒的に効率よく結論を出す

迅速な意思決定が求められるビジネスでは、「このビジネスをやるなら、こういう方法でやらないと我が社は勝てない。そのためには、これとこれとこれを事前に確認しておく必要がある!」と、具体的な意思決定プロセスを明確化し、それらに必要な情報もリストアップしてから調査や分析をはじめるべきです。そうすれば圧倒的に効率よく結論を出すことができます。

私たちがなにかを決めるときには「情報」とは別に「意思決定のプロセス」が必要です。たとえば、ある洋服を買おうと思ったけれど価格を見て買うのをやめたとしましょう。その意思決定ができるのは、「その洋服の価格」という情報を集めたからではなく、「この質、このタイプの服に関しては、1万円以下でないと私は買わない!」という意思決定プロセスを自分の中にもっているからです。この思考プロセスに〝洋服の値段〟という情報を放り込み、「コレは買う、アレは買わない」と決めているのです。 意思決定のプロセスをもたないまま、どれほど多くの洋服の価格情報を集めても、特定の洋服を買うべきか買うべきでないか、決められません。

洋服の買い物の例でわかるように、意思決定プロセスは情報収集をはじめる前に考えるべきことです。なぜなら、意思決定プロセスが明確になれば、それに合わせて必要な情報だけを集めればよいので、情報収集に必要な時間が大幅に短縮できるからです。 たとえば「品質にかかわらず1万円以上の洋服は買わない」という意思決定プロセスをもっている人は、ブランド店には調査に行く必要がありません。そんな店には1万円未満の服はほとんどないと最初からわかっているからです。またネット通販なら価格で絞り込んでから検討できます。先に思考プロセスが決まっていれば効率的に情報を集められるのです。

「知識」と「思考」を分離する

知識とは「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは、「未来に通用する論理の到達点」です。ちきりんは知識の重要性を否定しているわけではありません。知識と思考を異なるものとして認識しましょうと言っているのです。一部の「知識」は「過去において、他の人がその人の頭で考えた結果」です。それを私たちは書籍や講義、報道などを通して学んでおり、自分の頭の中に知識として保存しています。なにかを考えろ、と言われたときにそれを頭の中から取り出してくるのは、「他人の思考を頭の中から取り出してくる行為」に他なりません。 他人の思考は正しい場合もあれば間違っている場合もあります。時代や背景となる環境条件が異なる場合も多いでしょう。

現代社会ではマスメディアの影響も絶大です。「金髪に鼻ピアス、下着が見えるほどずり下がった穴だらけのジーンズを履いた20代の若者」を見て、「信頼できそうにない」と思う人は少なくないでしょう。 けれどその人は、そういう風貌で実際に信頼できない若者を現実に一人でも知っているのでしょうか?「こういう風貌をしている若者は信頼できない」という知識を、ドラマや断片的なニュースからすり込まれているだけではないでしょうか? このように、私たちはしばしば他人の考えをまるで自分の考えであるかのように錯覚します。だからその戒めとして、「誰かが考えたことではなく、あなた自身が考えたことが重要なのですよ」という意味で、「自分の頭で考える」という言葉が使われるのでしょう。 自分の頭で考えること、それは「知識と思考をはっきりと区別する」ことからはじまります。「自分で考えなさい!」と言われたら、頭の中から知識を取り出してくるのではなく、むしろ知識をいったん「思考の舞台の外」に分離することが重要なのです。

「比較」は誰にとっても身近な分析手法

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「考えるためにもっとも役立つ分析手法はなにか?」と問われたら、ちきりんは迷わず「比較すること」と答えるでしょう。私たちはごく幼いころから兄弟や友達と自分を比べ、ハンバーグと唐揚げを比べています。「比較」は誰にとっても身近な分析手法なのです。

以前に対談させていただいたライフネット生命保険の出口治明社長も、いつも「縦と横に見る視点が重要」とおっしゃっています。これも、「縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること」と、「横=他者比較=国際的な視点でものごとを見ること」とのことですから、やはり比較といえばこの二種類を覚えておくべし、ということなのでしょう。

二種類の比較
(1)自・他の比較 自分と他者 自社と他社(ベスト・プラクティス分析) 自国と他国など
(2)時系列の比較 過去と現在(歴史) 過去と現在と未来(予測) 現在と未来のあるべき姿(目標)

判断基準に優先順位をつける

なにかを選ぶとき、選択肢が多いと悩みますよね。どこのマンションに住むべきか、どこの学校に子供を進ませるべきか、どんな職業を目指すべきか。こういうとき、私たちは「選択肢が多すぎる!」と思います。「選択肢が多いから、迷ってしまって決められない」と感じるのです。けれどじつはそれは間違いです。 決められないのは選択肢が多すぎるからではありません。決められないのは、「判断基準が多すぎるから」なんです。

利益率という判断基準だけで取り組むビジネスを決めるなら話は簡単です。儲かるなら進出し、儲からなくなれば撤退すればいいだけです。そこに「うちの看板事業だから」「今は儲からないが将来性があるから」「技術の維持には必要な事業だから」などと、異なる多くの判断基準をもち出すからなにも決められなくなってしまうのです。 こういったときに役に立つのが、「判断基準に優先順位をつける」という考え方です。流行した言葉を使って「判断基準を仕分けする」と言ってもいいでしょう。 いくつも存在する判断基準は、すべてが同じ重要性をもっているわけではありません。その時々で「今、もっとも重要な基準はどれなのか」ということを見極め、思い切って判断基準を仕分けてしまいましょう。そうすると、決断することが一気にラクになります。

まずは言語化し、次に視覚化する

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思考の過程において、自分の考えを「まずは言語化し、次に視覚化する」というふたつのステップで検証することにより、自分の考えの甘かった部分が見つかり、思考をより深めることができるのです!

ちきりんが考える「知識」と「思考」の最適な関係は、「知識を思考の棚に整理する」というものです。思考の棚の中に知識を整理して入れ込むことにより、個別の知識が意味をもってつながり、全体として異なる意味が見えてくることがあります。そういった「統合された知識から出てくる新たな意味」が、「洞察」と呼ばれるものとなります。

世間では、なにかを見たり聞いたりしたときに、すぐに気の利いた意見が言える人のことを「頭の回転が速い」と言います。周囲の人は、「今得た情報をもとに、こんなに短い時間であんなにおもしろいことを考えつくなんて、頭の回転がとても速い人だ!」と思うのでしょう。しかし、実際にはそれらの人の多くは、その場で考えているわけではありません。 待っていた情報が実際に手に入ったとき、彼らはそれを頭の中の思考の棚にまるで〝ジグソーパズルの最後のピース〟をはめ込むようにポンと放り込んだうえで、「その情報が存在したなら、こういうことが言えるよね」と、すでに考えてあった結論を「思考の棚」から取り出してきているのです。 つまり、それは、彼らの「頭の回転の速さ」を示しているのではなく、「思考自体がすでに完了していた」ことを示しているのです。

(1)知識は思考の棚の中に整理すること
(2)空いている棚に入るべき、まだ手に入っていない知識を常に意識すること
(3)それらの知識が手に入れば言えるようになることを、事前に考えておくこと
これが、ちきりんが考える「知識と思考の、理想的なカンケイ」なのです。

まとめ

いったん「知識」を分離すること!
「意思決定のプロセス」を決めること!
「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと!
あらゆる可能性を探ること!
縦と横に並べて比較してみること!
判断基準の取捨選択をすること!
レベルをごっちゃにしないこと!
自分独自の「フィルター」を見つけること!
データはトコトン追いかけること!
視覚化で思考を深化させること!
知識は「思考の棚」に整理すること!

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