Written by Manabu Bannai

【まとめ】伝え方が9割 2

BOOKS


伝え方が9割 2という本の読書メモです。
大切な部分のみを抜粋しました。

相手の好きなことで人は動く

「すみません、このシャツは現品限りです」 と店員さんに言われたらどう思いますか?頭にぱっと、「残り物か」「たくさんの人が試着したんだろうな」というイメージが残ると思います。ですが、 「こちら人気で、最後の一着なんです」 と言われたらどうでしょう?「人気なら欲しい!」「最後のひとつを今なら買える!」というイメージが残ります。こちらは切り口「相手の好きなこと」を使って伝えられているのです。レジにもっていく人が増えるでしょう。同じ内容なのに、伝え方によって相手の受け取り方と、行動が変わります。

サツマイモの「山田サツマ(仮称)」という品種がありました。食材宅配サービス「オイシックス」の、菅美沙季さんは悩んでいました。その売り上げを、どうやってアップさせるか。とびきりおいしいのですが、でもやはりサツマイモはサツマイモ。実力はあるのですが、そこまで差がつくほど売ることは無理でした。 「山田サツマ」 というサツマイモの品種名。 菅さんは悩んだあげく、チームの皆で議論して品種名で出すのではなく、ニックネームをつけたのです。 「生キャラメルいも」 とろけるような味わい、しっとりなめらかな舌触りを、ずばり言い当てたネーミングでした。これは買い物をする主婦の「好きなこと」です。主婦が大好きな「生キャラメル」というコトバをネーミングにすることで、ぐっと買いたくなる度を上げました。ネーミングを変えたことで、なんと売り上げが10倍に。通販で2年連続、最高金賞になったのです。

嫌いなこと回避で人は動く

たとえば、展示物に触れてほしくないときに、 「展示物に触らないで」 という注意書きを見たことがあると思います。 さらには、そう書かれているにもかかわらず、触っている人を見たこともあるかと思います。命令されれば、命令されるほど、反発したくなるのが人です。単に「それはやめて」とだけ言われると、かえって逆の行動をとってしまった経験、誰でもありますよね。一方でこう書かれていたらどうでしょう? 「薬品が塗ってあるので、触らないで」 こう伝えられると、触りたくないですよね。

「万引きは犯罪です」 と大きく書いてありますが、効果ありません。 頭をかかえていた山田さんは、たまたま『伝え方が9割』を読みました。試しに、書かれてある伝え方を、そのまま応用してポスターをつくってみたのです。 それが、こちらです。 「みなさんのおかげで、万引き犯を捕まえることができました。ご協力ありがとうございます」 すると。 万引きが目に見えて激減したのです。

認められたい欲で人は動く

家事をしない夫に、 「窓くらいふいて! 私だって忙しいんだから」 と言えば、夫は前向きにふくようになるでしょうか? もちろん「ノー」です。面倒なことを押しつけられている気分になり、その場を離れたくなるでしょう。仮に窓をふいたとしても、「俺だって毎日仕事してるのに」と思いながら、すっごいイヤイヤやることになるでしょう。ですが、こう言ったらどうでしょう? 「あなただと高いとこまで手が届くから、窓がピカピカになるのよね。お願いできない?」 こうすると、先ほどより「やってみようかな」という気持ちが生まれるはずです。 これは、切り口「認められたい欲」を使っています。もちろんこう言えば100%夫が窓ふきをしてくれる訳ではありませんが、少なくとも、言われてイヤな気分にはなりません。 この「認められたい欲」は、「人は期待されると、その通りの成果を出したくなる」という、心理学の「承認欲求」でも説明できます。

あなただけで人は動く

「こちら無料で交換させていただきます」 と言わないんですね。無料で交換してくれるだけで、すでにありがたいのですが、こう言われるのです。 「ご愛用いただいている佐々木さんだけには、こちら無料で交換させていただきます」 こう言われると、嬉しいですよね。

みんなと一緒(チームワーク)で人は動く

何をするにせよ、そのコトバだけで嬉しさがあるのです。女性同士「いっしょにトイレ行かない?」と言われたら、別に用事がなくても行ってしまいますよね。男性同士でも「いっしょにコンビニ行かない?」と言われたら、別に買うものがないのに思わず行ってしまうアレです。 もともと、人は人といっしょに何かをすること自体が本能レベルで好きなのです。人のこの本能を使うと、ふつう面倒なことでも、相手は動いてくれやすくなります。

2013年6月4日。 その日の渋谷交差点は、異様な盛り上がりでした。サッカーW杯予選。0—1で負けていた日本。ぎりぎりのロスタイムで本田圭佑選手がPKを決め、日本はみごとブラジル本戦へのチケットを手に入れたのでした。あまりに劇的な展開でした。渋谷の周辺で、飲みながら応援していた若者たちは興奮のあまり、渋谷のスクランブル交差点に集まってきました。とてつもない人数のサポーターが横断。すれ違いざまに知らぬ人同士でもハイタッチをくり返し、その集団がみるみる大きくなっていき、パニックになりかけました。そこにいたおまわりさん。ふつうだったらこう言っていました。 「車道に出ないでください 交通ルールを守ってください」 こう注意したとしても、W杯出場にも酒にも酔って興奮状態になっているサポーターたちにはまったく届かなかったことでしょう。ですが、その日のおまわりさんは違っていたのです。のちにDJポリスと呼ばれたそのおまわりさんは、サポーターたちにこうアナウンスしました。 「目の前の怖い顔をしたおまわりさんも、日本代表のワールドカップ出場をよろこんでいるのです」 「おまわりさんもみなさんのチームメイトです。どうかチームメイトの言うことにも耳を傾けてください」
すると……サポーターたちから拍手が巻き起こりました。サポーターたちの心をぐっとつかんだのです。 「そうか、チームメイトか。チームメイトの話は聞かなきゃ。日本がW杯出場できるのはチームワークがよかったからだし……」 と若者は思ったのでしょう。こちら伝え方のレシピの「チームワーク化」が使われていたのです。「おまわりさんコール」なるものも生まれました。その夜の渋谷交差点は、格段ににぎやかではありましたがみごとに統制がとれ、ひとりとしてケガ人が出ませんでした。

「お父さん、運動しなよ」 カラダのことを気遣って、お母さんもあゆみさんも言いました。ですがお父さんは、山のようにピクリとも動きません。今さら運動なんて面倒すぎて、やる気が出ないのでしょう。あるとき、「伝え方のレシピ」なるものを知ったあゆみさんは、ダメもとでお父さんに使ってみました。 「夜に走ろうと思うんだけど、私ひとりだと怖いから、いっしょに走ってくれない?」 ……山が動いた瞬間でした。それを聞いたお父さん。頭をかきながらも、娘と走ることに。

ありがとうで人は動く

「この机、移動して」 と言われると、「面倒だな」「なんで私が?」と感じたりすると思いますが、こんなとき、 「この机、移動して。ありがとうね!」 と言われると、快く動きやすいですよね。その秘密は、「ありがとう」というコトバにあります。人は、先に「ありがとう」と言われると、瞬間的に、ほのかな信頼関係が生まれます。するとそのあと断りづらいのです。これが伝え方の切り口「感謝」です。 ポイントは、「ありがとう」と言うタイミングです。お願いの直後に「ありがとう」と言ってしまうのです。ふつうならば、何かをやってもらったその後に「ありがとう」と言うのが順番です。 ですが、この「伝え方のレシピ」のコツは、お願いをした瞬間に、相手がまだ何もしていない状態で、「ありがとう」まで言ってしまうのです。

「人は好意を受け取ると、その相手に好意を返したいという気持ちが働く」という、心理学の「好意の返報性」でも説明できます。 「ありがとう」と言われるとその瞬間、相手との気持ちが近づきます。 「荷物を2階に運んでください。ありがとう!」 「ゴミ捨ててきてください。ありがとう!」 「明日までにご返信ください。ありがとうございます!」

「反対の意味の単語」で名言は作れる

「私のことはキライでも、AKBのことはキライにならないでください!」
AKB48を卒業した前田敦子さんの名言、と言って知らない人はいないでしょう。センターで走っていたがゆえに、グループを引っ張っていかなければいけないプレッシャーと、だからこそのアンチの声を受けてのコトバ。

「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」
Twitterで、「孫正義の髪の毛の後退具合がはんぱねぇwww」というつぶやきに対して放った孫正義さんのツイート。最前線を走り続けるからこそ言える内容と、抜群のユーモア。このコトバで孫正義さんを好きになった人が、たくさんいるのではないでしょうか。

「人生はクローズアップで見れば悲劇、ロングショットで見れば喜劇だ」
喜劇王と言われるチャールズ・チャップリンが描いたのは、ただの喜劇ではなく庶民の哀愁や涙、社会風刺でした。ともすると悲観的になりそうな世の中の情勢を笑いに変え、彼はこう言いました。

「意味がなさそうなことに、案外と意味があるのだ」
テレビの放送作家をしている、鈴木おさむさん著『テレビのなみだ』から。ご機嫌斜めどころか、「縦」になっていた女優を、一瞬にして笑顔に変えた凄腕プロデューサーの、一見無駄に思えるようなマメなケアが実を結んだことを見て、実感したコトバ。

「カリスマよりふつうのほうがいい」
マスコミが「カリスマ」と取り上げることについて。著書『藤田晋の仕事学』より。藤田さんとしてはむしろ「ふつう」を意識して、大切にしているとのこと。カリスマ経営者のもとに集まる受け身な人より、自身より優秀な人が集まる会社にしたいとの意思から。

すべて、「反対の意味の単語」を使っているのです。
「私」「AKB」
「後退」「前進」
「悲劇」「喜劇」
「意味がなさそう」「意味がある」
「カリスマ」「ふつう」
反対の単語を入れたコトバは強く印象に残るのです。後ろで詳しく述べますが、「ギャップ法」という伝え方の技術が使われています。これに気づくと、強いコトバをつくることができるようになります。もういちど言います。じぶんで、名言をつくることができるのです。

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驚きを入れるだけで名言が作れる

「強いコトバ」をつくる技術の中でも、基本中の基本。伝えたいコトバに、驚きを入れるだけで強いコトバになるのです。
「ちょ! 待てよ!」
木村拓哉さんがドラマ「ラブジェネレーション」で、去ろうとするヒロインに言ったコトバ。「待てよ!」で伝わる内容なのですが、「ちょ!」が入ったことでオリジナリティが生まれ数々のドラマにまたがって言われる木村さんのお家芸となりました。

「全米が驚愕した!」
映画の宣伝文句によく使われるものです。こう言われるだけで、どんな映画なのだろうと気になり、観る映画の候補になりますよね。でもこれを翻訳すると、実は「全米で公開しています」「どんでん返しのあるストーリーです」ということです。もちろんすべてのアメリカ人が観て驚いた訳ではありません。

「アッと驚く為五郎」
「昭和の3大ギャグ」と言われます。こちら、サプライズ満載です。「アッと」「驚く」と2つ盛り。「為五郎」だけでしたら、ユニークな名前でしかありません。サプライズワードを入れたことで、時代を超えて人々の記憶に残るコトバとなりました。

「おお! 心の友よ」
いつも乱暴なジャイアン。でも、自分の夢である歌手になることを応援されると態度が変わり、このコトバを言います。「心の友よ」と言われるだけでも押しつけがましい感がありますが、「おお!」が入り、さらにパワーアップしたコトバになりました。
「お、ねだん以上。」
ニトリのキャッチコピー。「ねだん以上。」という、お買い得であることに「驚き」を加えています。ダブルミーニング(2つの意味がある)になっているのも、おみごと。 といったものがサプライズ法を使ったコトバです。

驚きを入れて名言を作ってみる

このサプライズ法をつくるレシピを紹介しましょう。 伝えたいコトバを決める 適したサプライズワードを入れる この2つのステップです。 たとえば「大きなたこ焼き」をサプライズ法で書いてみましょう。

■伝えたいコトバを決める
ここでは、「大きなたこ焼き」全体ですね。

■適したサプライズワードを入れる
ここでは、「わっ」「びっくり」「驚いた」 といったものでしょう。

Before「大きなたこ焼き」
After「わっ、大きなたこ焼き」

「サプライズワード」とは、サプライズ法に使われる驚きを表現するワードのことです。これは、たとえば、 「わっ、」 「あ、」 「びっくり、」 「そうだ、」 といった、あなたが驚いたときに表現するものです。人によってはいろんな驚き方があるでしょう。それは自由。

【サプライズワード 表】
「あ、」 
「おおっ、」
「わっ、」 
「え」
「そうだ、」 
「うわ、」
「びっくり、」 
「驚いた、」
「げげげ!」 
「ほんと」
「ほほー、」 
「信じられない、」
「そうなんだ!」 
「(語尾に)!」

正反対の単語で名言は作れる(”反対の意味の単語で名言が作れる”と似ています)

「夢だけど」「夢じゃなかった」
スタジオジブリの名作「となりのトトロ」。主人公のサツキと妹のメイが、言ったコトバ。意味では「夢じゃなかった」だけで伝わるのですが、反対の意味である「夢だけど」と入ったことで、ファンタジー感のある記憶に残るコトバとなりました。

「最高で金、最低でも金」
シドニー・オリンピック前の記者会見にて。当時、目標を質問された田村亮子選手が答えた決意。「最低でも金」で彼女の決意は伝わりましたが、その反対の「最高で金」から語りはじめたことで、日本中が感動し、希望をもちました。

「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」
武士の制度がなくなったとき。人はもともと上下がないからこそ、学ぶことで差がつくと唱えた福沢諭吉『学問のすヽめ』の書き出しです。「天は人の下に人を造らず」で意味は伝わるのですが、その反対を入れることで強いフレーズとなり誰もが覚えるものとなりました。

「コクがあるのに、キレがある」
ビールの市場を塗り替えたコトバ。「スーパードライ」は、辛口を指す「キレがある」だけでなく、反対の味覚とも言える「コクがある」ことを伝え、業界1位に。ビールの味の革新性がありましたが、それを伝えるコトバにも、キレがありました。

「美女と野獣」
魔法をかけられ野獣の姿になった王子が、真実の愛を見つける物語。もともとはフランスの民話だったものが、ディズニーのアニメーション化で世界的に大ブレイク。「美女」と「野獣」というギャップのあるコトバが入ったタイトルは、圧倒的なインパクトがありました。

どの名言にも、正反対の単語が入っています。
「夢」「夢じゃない」
「最高」「最低」
「人の上」「人の下」
「コク」「キレ」
「美女」「野獣」

正反対の単語で名言を作ってみる

ギャップ法のつくり方を紹介しましょう。 最も伝えたいコトバを決める 伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる 前半と後半がつながるよう、自由にコトバを埋める この3つのステップです。 たとえば「大きなたこ焼き」をギャップ法で書いてみましょう。

■最も伝えたいコトバを決める
ここでは、「大きな」とします。

■伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる
「大きな」の反対は「小さな」ですね。 前半と後半がつながるよう、自由にコトバを埋める 文章がつながるよう、「皿が小さく見える」としました。

Before「大きなたこ焼き」
After「皿が小さく見える、大きなたこ焼き」

赤裸々に心境を語ることで名言が作れる

「超きもちいい!」
アテネ・オリンピックで金メダルを獲得した、北島康介選手のコトバ。ケガや体調不良に苦しんだ上での勝利でした。ゴール後、水しぶきの中で何度も雄叫びをあげ、インタビューをうけ緊張から解き放たれると、号泣。「鳥肌ものですね!」「超きもちいい!」と発言したのです。

「痛みに耐えてよくがんばった。感動した!」
小泉純一郎元首相が、ケガをおして優勝した貴乃花に贈ったコトバ。親方は休場を勧めたが、ひざがダメになってもいいと出場し勝利。観ている側も、まさに震えるような感動がありました。

「好きだ。気がおかしくなるほど惚れている」
名作「花より男子」。つくしのことが好きな道明寺司 が言ったセリフ。「好きだ。惚れている」でわかるのですが、カラダから湧き起こって出てきたコトバ「気がおかしくなるほど」が入ったことで、切ない気持ちがぐっと高まり、世の中の花男ファンをとりこにしました。

「かーんち、セックスしよ」
最高視聴率32・3%、国民の3人に1人は見ていた伝説のドラマ「東京ラブストーリー」の名ゼリフ。主人公の赤名リカは自由奔放な性格。不器用ながらも、まっすぐな愛をぶつけたリカのセリフは、あまりにもセンセーショナルでした。

「こんなにしびれたゲームはないよ。嬉しいねえ。本当に涙が出ちゃうよ」
日本シリーズ、楽天VS巨人。劇的勝利をおさめた星野仙一監督のインタビュー。意味では、「こんなゲームはないよ。嬉しいね」ということなのですが、あまりの感激に口からこぼれたコトバ。この年、楽天は球団設立以来、初の日本一に輝きました。

「夢は考え出すものではない、心の中から湧き出すものだ」
伝説の就活本『絶対内定』の著者、杉村太郎さんのコトバ。その赤裸裸で、情熱的な語り口は膨大な人数の学生、社会人の心を動かしました。今も「どう仕事をし、生きていくか」を考える多くの人たちに影響を与えています。

赤裸々に心境を語ることで名言を作ってみる

「頭の中が真っ白になるくらい、おいしい」 と言うと、とんでもなくおいしいものを食べたんだなと思いますよね。おいしいものを食べた瞬間、その衝撃で天からコトバが降ってきたのではありません。レシピに沿ってつくっているのです。 もともとの「おいしい」というコトバから、どうやってそのコトバにたどり着けるか。

では、いっしょに赤裸裸法を使って、つくりなおしてみましょう。 赤裸裸法は、じぶんの肌感覚に向き合って、それをあえてコトバにします。凄くおいしいものを食べたとき、あなたのカラダはどうなるでしょう? 感じた、ありのままをコトバにするのです。
口は?→無言になる
肌は?→鳥肌が立つ
頭の中は?→真っ白になる
このどれを使ってもいいです。赤裸裸な感覚を文字にすることで、詩人のような体温を感じるコトバになるのです。 「おいしい」の前に入れるだけで、こんなにコトバはイキイキします。ほら。

「無言になってしまうほど、おいしい」
「鳥肌が立つほど、おいしい」
「頭が真っ白になるくらい、おいしい」

では、赤裸裸法のつくり方のレシピです。

①最も伝えたいコトバを決める
②じぶんのカラダの反応を赤裸裸にコトバにする
③赤裸裸ワードを、伝えたいコトバの前に入れる

赤裸裸法は、②がポイントです。この「赤裸裸ワード」を見つけることができればそれで、9割がた完成です。ここで「赤裸裸ワードを見つけるのが難しいんです」と質問を受けることがあります。そんな方にアドバイス。「質問にこたえる形でつくる」のが、一番かんたんです。以下の質問に答えてください。 たとえば、「とってもおいしい」と伝えたいとき、カラダはどんな反応をしますか?

【赤裸裸法 質問表】  例:「とってもおいしい」とき
顔は?→思わず微笑んでしまう
のどは?→ごくりと鳴る
くちびるは?→舌なめずりしてしまう
息づかいは?→一瞬止まる
目は?→閉じたくなる
うぶ毛は?→全身立ち上がる
肌は?→鳥肌が立つ
頭の中は?→真っ白になる
手のひらは?→じわっと汗をかく
指の先は?→震える
血のめぐりは?→速くなる

この質問から出てきた赤裸裸ワードの中で一番強いものを、そのまま入れ込めばいいのです。赤裸裸法のコツは、ちょっと照れるくらいの赤裸裸ワードを使うことです。すると爆発力のあるコトバに仕上げることができます。 たとえば「大きなたこ焼き」を赤裸裸法で書いてみましょう。 最も伝えたいコトバを決める ここでは、「大きな」とします。 じぶんのカラダの反応を赤裸裸にコトバにする 巨大なたこ焼きを見たらどうなるか、赤裸裸法質問表から考えると 「目を見開き」ますよね。 「息が止まり」ますよね。 赤裸裸ワードを、伝えたいコトバの前に入れる 入れて、文章をつくってみました。

Before「大きなたこ焼き」
After「息が止まるほど、大きなたこ焼き」

繰り返すことで名言が作れる

「あわてない、あわてない。ひと休み、ひと休み」
アニメ「一休さん」のエンディング。寝そべった一休さんの決めゼリフです。「あわてない。ひと休み」というコトバをリピートして記憶に残るものとなりました。ずっと昔のアニメなのに、このフレーズはみんな、覚えてますよね。

「ダメよ〜ダメダメ」
流行語大賞となった日本エレキテル連合のギャグ。ネタの背徳感や、まったくセクシーじゃないセクシー感にも強烈なパワーがありました。でも、それだけでは流行語にはなりません。コトバをリピートしているので、記憶に残りやすくなっているのです。考えてみていただくと、過去の流行語にはリピートものが多いのに気づくはずです。

「私には夢がある…私には夢がある…」
皮膚の色や出身に関係なく、平等に生きられる社会を目指し、そして願いをこめた、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの演説。「私には夢がある」をリピートし、米国史でも記念碑的なコトバになりました。

「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主人公、碇シンジのコトバ。自分を変えたくて言ったコトバ「逃げちゃダメだ」。これを繰り返したことで、観る人の記憶に焼き付くコトバとなりました。ファンは、仕事から逃げ出したくなったとき、今もこのセリフを言うとのこと。

「おおロミオ、ロミオ! あなたはなぜロミオなの?」
あまりにも有名なシーンです。「ロミオとジュリエット」の、敵同士の家に生まれながら、恋に落ちてしまったふたり。その名前が理由で、許されない恋。そこでジュリエットが言ったコトバ。「ロミオ、ロミオ」とリピートしていなかったらここまで世界的に有名な作品にはなっていなかったでしょう。

「コマネチ! コマネチ!」
体操の金メダリスト、コマネチ選手が着ていたハイレグの衣装は当時の日本で非常にインパクトがありました。それをビートたけしさんが、手の動きでマネしたのがはじまり。連呼したことがさらなる笑いを誘って、オリジナルのご本人よりもたけしさんのギャグとしての認知のほうが高くなりました。

心理学では、「ザイアンスの法則」といって、「接触回数を増やすと、ただそれだけで好感度が上がる」ということが実験で証明されています。

繰り返すことで名言を作ってみる

では、リピート法のつくり方のレシピです。

■伝えたいコトバを決める
■くり返す

これだけです。ホント、シンプルなのです。 たとえば「大きなたこ焼き」をリピート法で書いてみましょう。 伝えたいコトバを決める ここでは、「大きな」とします。 くり返す 「大きな、大きな」となります。 ほかにもアレンジして、 「大きな、とっても大きな」のようにしてもいいです。

Before「大きなたこ焼き」
After「大きな、大きなたこ焼き」

クライマックスワードを使うことで名言が作れる

「ここ、テストに出ます。 三角形の面積は〜」
学校の先生のキラーフレーズです。「三角形の面積は〜」とだけ言っても、注目はされません。ですが、この出だしで話し始めると、教室のみんなが一斉に黒板を見るようになります。

「ようやく守らなければいけないものができた。 君だ」
魔法と科学が同居する世界。映画「ハウルの動く城」の主人公ハウルのコトバです。戦争からずっと逃げていた彼が、戦いに出る前にヒロインのソフィーにこう言いました。ちなみに声優は木村拓哉さん。こう言われて惚れない女性はいないでしょう。

「選択肢は2つだけ。 必死に生きるか。必死に死ぬか」
無実の罪で投獄されたアンディ。希望を捨てず、自由を得られる日を信じて生きる姿を描いた、映画「ショーシャンクの空に」。獄中で友人になったレッドが言った名ゼリフです。これは、クライマックス法からの、ギャップ法につながっていて、非常に強力なコトバになっています。

「ズバリ答えよう。 金と名誉を捨てたら、人間の生命が残るんだ」
岡本太郎さんが、人生相談で語ったコトバ。「ズバリ答えよう」とあるから、その後のコトバをより聞いてみよう! という気持ちが生まれます。もしここでクライマックスワードがなかったら、大切なことを言っているのに、意外と人はさらりと流してしまったかもしれません。

「ひとつ、よろしいでしょうか?」
刑事ドラマ「相棒」に出てくる主役、杉下右京の口癖。人並み外れた推理力で、人が気にしないような細かいことを糸口に、事件を解決していきます。行き詰まった捜査で、このコトバから物語は展開していくのです。

【クライマックスワード表】
「内緒にしておいてください」
「ここテストに出ます」
「これを聞いたあなた、ラッキーですよ」
「ここだけの話ですが」
「ここから撮影禁止です」
「いちどしか言いませんよ」
「ポイントは2つです」
「他では言わないのですが」
「あなただけには、話します」
「告白しますが」

数字(奇数)を入れることで名言が作れる

これは95%以上の人が知らないレシピです。 「数字」をコトバに入れると、それだけで説得力が増すのです。特に商品名やコトバの中に、数字が入り込むと視覚的にも目がいきます。内容としてもすっと理解しやすくなるのです。 「ひとつぶ300メートル」 グリコのキャラメルのキャッチコピーです。ひとつぶのエネルギーが、人が300メートル走るぶんと同等入っているということ。こちら「ひとつぶに栄養がいっぱい」と伝えるのが目的でしたが、数字にしたことで説得力とインパクトが格段に上がったのがわかると思います。 『伝え方が9割』 このタイトル、実は『伝え方が大切』の言い換えです。「大切」を「9割」と言い換えているのです。もちろん内容こそとっても重要。だけど、人は「内容」にはチカラをかけるのに、それを「どう伝えるか」にはかけないのです。伝え方を大切にしようというメッセージがこのタイトルにこめられています。 『銀河鉄道999』 日本まんがの歴史の中でも輝く代表作のひとつ。ストーリーの素晴らしさはもちろん、このタイトルの魅力。もし「999」ではなく他の名前だったらどうだったでしょう? もし「銀河鉄道はやぶさ」という名前だったら……ここまで歴史に残る漫画になっていなかったのではないでしょうか。 「101匹わんちゃん」 ウォルト・ディズニーがつくった、アニメ。これも「たくさんのわんちゃん」というタイトルだったら映画化すらされなかったのではないでしょうか。「101匹」という数字がコトバを強くしている好例です。 「3分クッキング」 「短時間クッキング」というタイトルだったら、たとえ同じ内容であったとしてもここまで人気の番組にはなっていなかったでしょう。同じ短時間を指すにしても「3分」と数字を使ったことで、興味をもたせることができました。 といったものが、「ナンバー法」の使われているコトバです。 文章の中に、数字が入るとそれだけで、圧倒的に目を引きます。さらには、具体的な数字が出されると、ぱっと見で理解しやすいのです。漢字やひらがなよりも数字のほうが、伝わる速度が速いのです。

さらに。数字の中でも、気づくことはありませんか? 実は奇数が多いのです。 「6つの習慣」ではなく、「7つの習慣」 「100匹ワンちゃん」ではなく、「101匹ワンちゃん」 あくまで、コトバとしての強さという視点ですが、 2、4、6、8、10という偶数だと、優しいのですが弱い。 1、3、5、7、9という奇数のほうが、エッジがあり強いのです。 みなさんの思いつく、数字の入った有名なコトバを探してみてください。「7不思議」「7つ道具」「3本の矢」「ゴレンジャー」など、奇数が圧倒的に多いはずです。

数字(奇数)を入れることで名言を作ってみる

このナンバー法をつくるレシピを紹介しましょう。 伝えたいコトバを決める 適した数字に置きかえる この2つのステップです。 たとえば「大きなたこ焼き」をナンバー法で書いてみましょう。

■伝えたいコトバを決める
ここでは、「大きな」とします。

■適した数字に置きかえる
「大きな」を「300%大きな」としました。
ここでの数字は、適したものであれば、 300%/3倍/300gなどなんでもOKです。

Before「大きなたこ焼き」
After「300%大きなたこ焼き」

2つのコトバを合体させると名言が作れる

「妖怪ウォッチ」
大ブームを起こしたゲーム。腕時計である「妖怪ウォッチ」を手に入れた主人公が、不思議な力を手に入れるところから始まります。「妖怪」と「ウォッチ」それ自体はふつうのコトバ。ですが、今まで出会ったことのない2つのコトバが合体し、まったく新しい世界観ができました。

「ゆるキャラ」
もともと、気の抜けているキャラクターは全国にたくさんいました。みうらじゅんさんが統一名称をつくったことで、キャラの集団が注目され、ブームになった好例です。合体させたコトバ「ゆる」のほかにも「だらり」「力抜け」「やわらか」「マイルド」など候補をあげられますが、圧倒的に「ゆる」がはまりますね。

「カルピスウォーター」
もはや、カルピスの原液からつくる人は少なくなってしまったかもしれません。「カルピス」に「ウォーター」が入った商品として発売され、出た瞬間から爆発的なヒットとなりました。私ごとですが、はじめて飲んだときは「濃いっ」と思いました。私の家では、水の割合が多めだったのでしょうか。

「クールビズ」
夏場でも、快適に過ごせる服装のこと。こちらのコトバ、かなり狙ってつくられています。涼しいと、格好いいを表す「クール」と、ビジネスを表す「ビズ」の合体。企業文化で「軽装は失礼?」という概念を壊し、定着させたコトバです。

「壁ドン」
男性が女性を壁ぎわで、壁を「ドンッ」と突く行為です。「壁ドン」されると、女性は「キュンッ」とくるそうです。そのまま「壁をドンッとされる行為」というコトバだったら広がらないですよね。

「こども店長」
トヨタ自動車のCMシリーズに登場したキャラクター。加藤清史郎くん扮する店長が減税などを、子どもらしいたとえで説明し人気になりました。「こども」と「店長」の組み合わせは正反対のコトバを組み合わせる「ギャップ法」であり、「合体法」でもあり、とても優れたネーミングとなっています。

見ていただいたもの、どれをとってみても2つのコトバを合体させていますよね。だけど組み合わせる前のコトバは、ふつうのコトバです。

2つのコトバを合体させるて名言を作ってみる

では、つくり方を紹介しましょう。 軸コトバを選ぶ 別軸コトバの言い換えをたくさん出す 組み合わせる この3つのステップです。 たとえば「大きなたこ焼き」を合体法で書いてみましょう。

■軸コトバを選ぶ
ここでは、商品がたこ焼きなので「たこ焼き」とします。

■別軸コトバの言い換えをたくさん出す
別軸コトバは「大きな」として、この言い換えをどんどん出します。
「巨大」「大きな口」「野球ボール」「重量級」「男の」

■組み合わせる
それぞれに組み合わせてみました。
「巨大たこ焼き」 「大きな口たこ焼」 「野球ボールたこ焼き」 「重量級たこ焼き」 「男のたこ焼き」 こうしてみると、 「野球ボールたこ焼き」 「重量級たこ焼」 が今までに出会ったことのなさそうな合体となります。そして、コトバとして強いですよね。出会ったことのないコトバ同士の合体が強いのです。

Before「大きなたこ焼き」
After「野球ボールたこ焼き」

頂上法で名言が作れる

人は、比べたがりです。そして頂上のものを、頂上であることが理由で好みます。たとえば日本で一番高い山は知ってますよね? もちろん、「富士山」です。ではその次に高い山は知ってますか? 多くの人が知らないと思います。「北岳」です。知りませんよね。つまり一番のものに、人は強烈に興味をもつのですが、二番以下はもたれないのです。

「一番搾り」
こちらキリンビールで、それこそ一番売れているビール。このネーミングの勝利は「一番」を入れたことにあります。意味としては実は、優れているという意味の「一番」ではなく、「一番搾り製法」のことを指しています。ただ店頭に「一番」と書かれているパッケージは、やはり強いのです。

「お菓子のホームラン王」
これは、亀屋万年堂のナボナのCMに使われていたフレーズ。当時ホームラン王だった王貞治選手がこう言ったのです。こちらは「一番おいしいお菓子」「一番売れているお菓子」とは言っていないのですが、見ているほうにはそのように伝わります。「〜王」という頂上法の使い方は非常に便利です。

「トップ」
洗剤の中でも、最も古くから愛されているブランドのひとつです。店頭でどの洗剤にするかを悩んだときに、その場では使ってみることはできないので、一番キレイに洗濯できそうに感じさせるネーミングと言えるでしょう。

「地域」
こちらは、電器店などのチラシに書かれるコトバ。ここからは、学ぶことがいっぱいあります。「日本一」「どこよりも一番」とはなかなか言えないですよね。ほとんどがそうだと思います。その場合は、ある範囲でと言ってしまえばいいのです。それでも十分強いコトバになります。

「店長イチオシ」
「地域」と言えなければ、こういう言い方ならどのお店でも言えます。店頭で人を動かすコトバのひとつです。こちらは、本当にイチオシのものを指してもいいですし、もしくは売りたいものにつけるという方法もあります。

「売り上げ」
ビールでも、発泡酒でもCMでこのコトバを言いつづけるのには、意味があります。やはり、だとそれが理由で売れるのです。一番売れていないのに「売り上げ」という表示は法律上できませんが、各社その表記を勝ちとるために日々努力しています。 このように、商品群の中で、頂上であると感じさせると、人は動きます。

「頂上法」には2つの方法があります。
1.「リアル頂上法」
たとえば「地域」「店長イチオシ」のように、リアルにどこかの頂上であると伝える方法です。コツはどの範囲で切り取ったら頂上になれるかを考えることです。たとえば以下のようなことです。 世界一東洋一日本一県内一市で一番地域で一番あなたの個人的一番 必ず、どこかに入れることができるはずです。言える中で、なるべく広い範囲で伝えましょう。

2.「表現頂上法」
表現として、「一番搾り」や「お菓子のホームラン王」のように頂上に感じるようにコトバをつくる方法。一番売れていないのに「一番売れている」とは言えませんが、表現で感じさせることはできます。

頂上法で名言を作ってみる

では、頂上法のつくり方のレシピです。

■伝えたいコトバを決める
■適した頂上ワードを入れる

頂上法のコツは、どれだけ一番と言っていい範囲を広げられるかです。広ければ広いほど、強さが出ます。 たとえば「大きなたこ焼き」を頂上法で書いてみましょう。

■伝えたいコトバを決める
ここでは、「大きな」とします。

■適した頂上ワードを入れる
たとえば、「日本一」や「県で一番」とは言えなそうだとするなら 「原宿で一番」と入れてみましょう。

Before「大きなたこ焼き」
After「原宿で一番、大きなたこ焼き」