Written by Manabu Bannai

「7つの切り口」で“お願い上手”になる!【伝え方が9割】

BOOKS

伝え方が9割という本の読書メモです。
大切な部分のみを抜粋しました。

なにかを伝えるまえに、相手の立場になって考える事。

・伝えたいことは?
・相手のメリットは?
・相手の性格は?

「相手の好きなこと」を切り口にする

ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
ステップ2 相手の頭の中を想像する
ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる

こんなことがありました。仕事で移動中、手軽に食事をとりたかったときのこと。ファーストフードをみつけた私は、早さ優先で入りました。ですが、私の注文したフィッシュバーガーは、どうやら時間がかかるよう。「それじゃ、出ようかな」と思ったところに、この店員さんのコトバでした。

 「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ちいただけますか?」

 そのコトバで、私は待つことに決めました。できたてなら美味しいし、いいかと。でも、考えてみると、できたてなのは当たり前です。これからつくるのですから。待った上に、できたてでないということはありえません。この店員さんのコトバは、切り口「好きなこと」を突いていて、私はそのコトバに動かされました。
 もし、これがただ

「4分ほどお待ちいただけますか?」
 というお店都合のお願いだったら、私はお店を出ていました。早さ優先で入ったので。でも 「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ちいただけますか?」

 のように私の好きなこと、メリットから話したことで結果を変えました。実はどちらも同じ、「4分待って」という内容だし、出すフィレオフィッシュも一緒です。ストレートにお願いをするのではなく、相手の「好きなこと」を使うことにより、結果を変えることができたのです。「ノー」を「イエス」に変えられたのです。

集中力のスイッチを入れるコトバ

このクライマックス法は、ロケット発射直前の「3、2、1」と同じです。そのアナウンスがあるといやが上にも期待が高まりますよね。カウントダウンが聞こえたとして、その方向を向かないでいられる人は、非常に数少ないはずです。今までは、ロケット(伝えたい話)をカウントダウンなしに打ち上げていた方も多いと思います。相手とするなら、知らない間、他のことを考えている間にロケットが飛んでいたということもあるでしょう。事前にカウントダウンを伝えてあげることで、あなたの伝えたいことが的確に集中力をもって聞いてもらえるようになります。
 この他にも、クライマックスをつくるのには以下のようなコトバがあります。

 「これだけは覚えてほしいのですが、~」
 「ここだけの話ですが、~」
 「他では話さないのですが、~」
 「誰にも言わないでくださいね、~」
 「これだけは、忘れないでください、~」
 「一言だけつけくわえますと、~」
 「ワンポイント・アドバイスですが、~」
 「3つのコツがあります、1つ目が~」

 などです。

「7つの切り口」で“お願い上手”になる!

相手の好きなことを意識
好きな人とデートがしたいけど、相手は自分に興味を持っていない――そんな関係で「デートしよう!」とストレートに誘っても、成功率は低い。ここはまず、相手の好きなことを思い浮かべ、メリットを感じさせる誘い文句を考えよう。
もし相手が「イタリアン」と「初めてのもの」が好きならば、「驚くほどおいしいイタリアがあるけど、どう?」という形になる。相手の立場で言葉を考える、という意識を持つのがコツだ。

嫌いなことを回避させる
例えば「芝生に入らないで」という注意書きは、自分の要望しか書かれていないため、見る人の心に届きにくい。これが「農薬の臭いがつくから入らないで」ならどうだろう。「それは嫌だ」と感じれば、自ら避けてくれるはず。
相手が嫌いなことを回避できる伝え方をすることで、自分の要望や願望が結果的に実現できるという方法は、覚えておいて損はない。

選択の自由をつくる
デートに誘う場合、「デートしない?」と決断を迫るより、「窯焼きフォカッチャの店と、うまい生パスタの店なら、どっちがいい?」という質問のほうが、相手は答えやすい。「決める」より「選ぶ」ほうが抵抗が少ないからだ。どちらかを選んだ時点でデートが成立するわけではないが、「パスタかなあ」「じゃあ、一緒に行かない?」などと、話を進めやすくなる。

認められたい欲を刺激
上司から休日出勤を頼まれたところを想像してほしい。「土曜日、来てくれない?」より、「きみの企画書が刺さるんだよね。土曜、お願いできない?」と言われたほうが、やる気が出るのではないだろうか。
相手を認める言葉を入れ、「そんなあなただからこそ、頼んでいるのだ」という気持ちを伝えることで、応じてもらえる確率は格段にアップ。また、気持ちよく取り組んでもらえる可能性も生まれ、双方にメリットがある。

「あなた限定」を強調する
会社で大きな飲み会で幹事をするとしよう。あなた自身も気乗りしないし、嫌がる人も多そう。そんな集まりに、一斉メールで出席をつのると、「その日は別件がありまして……」などと、適当な断り文句が返ってくるのは目に見えている。でも、「○○さんには、ぜひ来てほしいんです!」と送れば、「それなら行こうかな」と思ってもらえるかもしれない。少なくとも、機械的に断られることはないだろう。

チームワーク化
「連れション」という言葉があるのは、トイレに行きたくないときでも、誘われると「じゃあ、行っておこうかな」と同行する人が多いから。同様に、その人が自発的にはやらないことでも、「ぜひ一緒に」と誘えば応じてくれることもある。
例えば、運動不足で太ってしまった恋人に対し「痩せるために走ってきてよ」と言うより、「一緒に走ろうよ」と誘うほうが、重い腰を動かすのに効果的。

感謝の言葉をプラス
感謝の言葉を投げかけられた直後に相手の頼みを断るのは、誰だって気が引けるもの。もし「仕事の打ち合わせも兼ねた友人との食事会」という、仕事かプライベートかの判断が微妙な領収書がある場合、「領収書お願いします」ではなく、「○○さん、いつもありがとうございます。よろしくお願い申し上げます」と言うと、落としてくれる確率が上がる。

伝え方には技術がある!

例えば、わたしの心を動かしたコトバで

 「考えるな、感じろ」 燃えよドラゴン
 「死ぬことに意味を持つな。生きるんだ!」 3年B組金八先生
 「ちっちゃな本が、でかいこと言うじゃないか」 講談社文庫の広告
 「別れることがなければ、めぐり逢うこともできない」 西洋のことわざ
 「マフィアが少年聖歌隊に見えるほどの巨悪組織」 ピーター・セラーズ(ピンクパンサー)
 「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!!」 踊る大捜査線

 は似ているなと感じたのです。一見、まったく違いますよね。単語はひとつも同じではありません。だけど、構造が似ていると感じたのです。どれも、正反対のコトバを使っている。

  考える← →感じる
  死ぬ← →生きる
  ちっちゃな← →でかい
  別れる← →めぐり逢う
  マフィア← →少年聖歌隊
  会議室← →現場

 はじめ、気のせいかなと思っていました。しかし、ただ偶然の一致にしては、見事にそろいすぎている。その奥に、明らかに何かがあるという宝物のにおいのようなものをビンビンに感じていました。すべてが正反対のコトバを偶然ではなく、あえて使っているのです。