Written by Manabu Bannai

あなたの使うサービスを支えているのは『違法移民』だった|企業が「帝国化」する。

BOOKS

アップルの元シニアマネージャーが語る。
企業が「帝国化」するとはどうゆうことなのか。

普段利用している便利なサービスは違法移民に支えられていた?作られた仕組みで働く人間の給料はさがる一方…。今後の世の中で必要となってくるスキルは? …etc

書籍内では『仕組みを作る企業の恐ろしさ』が描かれています。

文章自体はかなり読みやすく、3時間もあれば読み切れる量です。企業が「帝国化」するを読み終わった後に、ワークシフトを読んでみる事をオススメします。上述の2冊は、かなり関連性の高い内容となっています。

今回の記事では、書籍内で重要と感じた文章を抜粋してご紹介します。

高い専門性+創造性を身につける

これから必要な能力は、高い専門性に裏打ちされた創造性です。創造性を養うには、いくつかのやり方があります。
1つ目は古典と呼ばれる、時代の淘汰を経て残ってきた優れた文学作品、音楽、絵画といったものにたくさん触れていくことでしょう。
2つ目は自らさまざまな体験を重ね、物事を多面的に観察し、理解する能力を獲得していくことです。
3つ目はやはり、自らの手でさまざまなものを創る訓練をしていくことではないかと思います。それは音楽、絵画、彫刻、文学作品、あるいはコンピューター・プログラムでもいいでしょう。

「仕組み」の中で使われる人々

本社に勤務する一部の社員がビジネスの仕組みや製品の開発などの「仕組みづくり」を担当し、世界中の何万人、何十万人という人がその「仕組み」の中で低賃金で使われている。

グローバル企業には「努力する凡人」が多い

アップルやグーグルの本社というと天才的な人が大勢働いている印象があるかもしれません。確かに天才的な人も一部にはいますが、大半の本社従業員はよく働き、何年もかけて専門性を高めてきた「努力する凡人」です。凡人がこうした企業の本社勤務を続けていくためには、ひとつの極端に秀でた能力よりも、複数のそこそこ秀でた能力をうまく掛け合わせて自分の価値を高めていくような工夫も必要です。私もエンジニアとしては極めて凡庸なので、技術が分かる、日本市場に明るい管理職といった役どころで自分の価値を高めていく工夫をしました。

違法移民が大企業を支えている

現在アメリカで生産される食牛の大半は大手4社が所有するわずか26カ所の精肉所へと運ばれていきます。食肉会社は巨大化するにつれ、工場をアメリカ国内でも特に貧困にあえぐ地域に移し、組合を解体し、安い給与で地元の失業者たちを雇い入れたのです。しかしあまりにきつく危険な仕事のため、やがて地元にすら働く人がいなくなってしまいました。すると次には違法移民を雇い入れたのです。移民たちは英語がしゃべれない、違法で入国している、あるいは教育程度が低いなどのさまざまなハンディキャップによってほとんど仕事を選ぶことができないため、このような低賃金で危険な仕事に就かざるを得ません。またこうした食肉会社に雇用されている移民たちは「独立契約者」という形で雇われるため、会社から健康保険も用意されず、事故が発生した場合にも契約者の自己責任という形で責任を背負わされてしまうのです。

もはや、わかりやすいレールは存在しない

いままでの時代は、良くも悪くも左右を見渡して他人と同じようにしていればどうにでもなる時代でした。分かりやすいレールがあり、それに乗っていれば特に何も考えなくてもそれなりの生活ができたのです。ところが本書を通じて見てきたように、これからは超巨大企業の中枢に勤務するごく一部の層が高い所得を維持し、大多数の凡庸な人々は、彼らが構築したシステムの中で低賃金で使われる時代になっていくのです。
親の世代にはまったく存在しなかった変化が津波のように押し寄せています。そのため年長者の意見もほとんど参考になりません。その上国家さえ当てにならないのです。「誰かの行動様式を模倣する」という発想そのものを捨てるときが来ているといってもいいでしょう。

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